28 January, 2009

「告白」と「少女」/湊かなえ


告白」について、
話題になってるのはネット上の色んな情報で知っていたけど最近はあまり小説を読む気になれていなかったので「ふうん」って感じだったんだけど、僕がよく見て信頼出来ると思っているサイトのレビューにこの本が出ていたから気になっていて先々週末に成城の本屋に行った時買ってみた。

一応ミステリーという分類だったけどあまりそれを感じずに読みました。
自分とそれほど遠くない倫理観を基に進められていくので違和感を感じることもあまり無くむしろ入り込みやすかった。
事件にまつわる人それぞれのモノローグにより全てが明らかになっていく展開は新鮮、みんながとても普通だけどみんなが少し異常な部分を持ってるってことは普通なのかな?と思わされ自分の周りでもきっかけさえあればこのようなことが起こっていたのかとやけにリアリティを感じてしまいました。
結末には驚きました、読後感はさほど悪いものではないけどすっきりはしない、結局あれで救われたのかなあ?とかこれで全て終わりじゃないよなあ、とか。

読み終わった後著者について調べてみるとあまり興味を惹かれるような記事は無かったが、年上ではあるけれど同世代ということと次回作が1月23日に発売されるという情報を得たので2日後の25日に購入。

少女」について
これまた面白くあっという間に読み終えた。
俯瞰で見ている誰かの視点ではなく、物語の主人公2人の視点から交互に語られているのが新鮮だった。
前作以上にところどころ伏線が張られていることによく気づいてしまい、それがやや邪魔でもあるんだけれどそれほど嫌みでは無かった。
でもこれだけ蒔いた種が最後には全て実になるのを見ているとちょっとやり過ぎかな?という気もしてきましたが。
これはどうしようもないんだろうけどこの作家のことを知らずに読んだらまた違った読み方が出来たんだと思う。
普段冷めていても自分の興味に爽やかな程正直に素直に突き動かされる様はイタいけどそんなもんなんだろうか(あくまで動機は単純なこと)、とこれまたやけにリアリティを感じてしまいました。

タイトルだけ見ると青臭そうで牽制しそうになるけど全然そんなことありません。
みなさんにも読んでみて欲しいのでネタバレにならないよう軽く感想まで。
共通して思ったのは登場人物(歳も幅広く性別も男女問わず)による語りが上手い、この人は憑依型の作家なんだなきっと。

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