15 April, 2008

神奈川建築ツアー

4/12 (SAT)
前からキヨシと計画していた(進めてもらっていた、かな?)石上純也さんが設計した神奈川工科大学、KAIT工房の見学がやっと実現した。
朝早くタッチンと待ち合わせしてキヨシに迎えにきてもらって登戸でマーボを拾い出発。
東名は渋滞で出鼻をくじかれたけど何とか予定時間に到着。

何てことの無い古い校舎を抜けて歩いて行くと突然異質な建築が目に入った。
プロジェクト段階から興味を持って見ていたし、ここ最近の建築雑誌には全部出ているので分かっているつもりだったけどやっぱり驚いた。
どう表現したらいいか分からないけど、ほとんど裸の状態の建築を見ているような。

恐る恐る中に入ると工房の責任者の方が丁寧に説明してくれた。
何度も説明させられているんだろうな、やけに詳しいけどやる気は無し。
中に入った第一印象はとても明るい。
外は曇っていたのでそれほど明るくなかったのに、それでもトップライトから均質に入ってくる光が中で乱反射してまぶしいくらいに明るかった。
構造体となっている300本以上のスチール極細フラットバーが空間の印象を全て支配していて、誰とも同じ風景を見ることが無いんじゃないか、と思うくらいに少し動くだけで空間の意味、柱の集まり方や密度が変わって見える。

使っているヒトが広いところを見つければそこが作業スペースにもなるし、密度の高いところに椅子を並べれば心理的に囲まれ休憩スペースにもなり得る、そんなゆるい感じ。
柱と柱の間は狭くなく危険な印象は全く無かったけど、思っていたよりも外との繋がりは感じず一度中に入ってしまうと森の中にいるような、ひっそりした印象だったのが意外。

徹底した作り方が過激に思えて面白く、写真もいっぱい撮ってしまったけど帰って見てみるとどの写真がどこから撮ったかなんてすぐにはなかなか分からない。
ここに載せていない他の写真はこちらをどうぞ。
ヒトが写っている写真を見てもらえれば分かると思うけど、ヒトはそんなに明るく写っていないのにも関わらず空間はもの凄く明るい。
人物をメインで適正露出に合わせたら空間はほとんど真っ白になってしまうんじゃないか、ってくらいに。

外観はほとんど無いというか、たまたまここで切れただけという見せ方に思えた。
ただある一面は並木がキレイに映り込んでいて概念的には森が続いているように思えてとてもきれいでした。

中で撮った写真、ここで撮るとどう撮ってもファッション写真のように写るのでおすすめです。
特に女の子はレフ板いらずでキレイに撮れるのではないでしょうか。



続いてはずっと古くなって1992年に竣工した慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)。
設計は槇文彦大先生。
16年前に出来たとは思えないほどとてもキレイで感心しました。

正直槇さんの建築を見てどうこう言うのはおこがましいのですが、とても丁寧で何も間違ったことをしていない、という印象。
派手な部分はなくほとんどが白とグレーで清潔さがあって、余計なものや見たくないものが一切出てこないようにディテールが徹底されている。
ここの学生が羨ましいな、と思いました。

久しぶりに学生気分が味わいたくて学食で昼食を食べました。
それほど美味くはなかったけど、安くてメニューも豊富で何よりも雰囲気が良かった。
もう一度大学生やりたいです。

次は昨年竣工した横須賀美術館、設計は山本理顕さん。

この建築は建築家の資質や過去の作品などから見る実績などにより設計者を選考するQBS方式を採用したことで、プロジェクト段階から注目されていた。
そんな時から見ていたので先ず何よりも長かったなあ、と思いました。
観音崎公園のくねくねした道を曲がりきった先に急に現れた姿は堂々としたものでしたが、よく見ていくと段々印象が薄くなっていく、そんな感じでした。

良くも悪くも今っぽいデザインで、あまり無理しなくていいのになあ、と思ってしまいました。
山本さんの魅力はここで表現しているようなものじゃないと僕は思っているので。
鉄板と鉄骨で出来たシェルをガラスの外皮が包んでいるという構成で、鉄板が展示室の壁にもなっている。
丸く開けられた孔から海が切り取られて展示室からも見えるのはきれいでした。
ただ何が問題なのか、シェルの外側を大修復していたのが残念でした。
鉄骨を鉄板とボードで挟んでいるので二つの素材の伸縮の問題なのかな、と思ったり。
いずれにせよまだ1年経っていなくてこんなことではクレームものですよね。

最も良かったのは展示室やインテリアよりも屋根の上を歩いていることを実感出来る屋上でした。

横須賀美術館の前にある海岸で見た犬、のんびりしてました。
ウチのじいちゃんに似てた。

美術館の駐車場のファンキーなおじさんに場所を聞いてみんなでどぶ板通りへ。

プールバーやダーツバーが多くて、国籍も年齢もあまり関係のないゆるーい街。
あまり期待していたほどのものではなかったけど面白い場所でした。
でも僕はアメリカ人(米兵)だらけのこの街には住みたくないなあと思いました。
どうにも仲良く出来そうな気がしないので。

目的を一通り達成したので前から行ってみたかった京浜工業地帯へ。
どうにも写真がうまく撮れなかったので伝わりづらいですが感動しました。

大黒ふ頭から湾岸線で川崎まで走ったんだけど本当に楽しかったです。
ここもまた絶対に住みたくないけど一度行ってみることをおすすめします。
(臭くて空気は悪いのでご注意。)

帰りに僕らの地元香川の名店、一鶴青葉台店へ。
久しぶりに食ったけど美味かったー。
この親どりは本当に渋い食べ物だと思います。
食べたことの無いヒトは是非おすすめです。
(とりめしとのセットがいいですよ。)

今日は食事代とレンタカー代、交通費を入れても6000円弱。
朝から晩までこんなに有意義に過ごせてとてもお得なツアーでした。

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