05 April, 2008

杉本貴志展 水の茶室・鉄の茶室

4/4 (FRI)
ウチがデザインしたベンチがインターオフィスさんから商品化され、毎年東京デザインセンターで行われている桜の宴に合わせて皆さんにお披露目されたので少し顔を出した。
もともとこのベンチはデザイン監修しているマンションのロビーに置くためにデザインしたんだけど、物凄い勢いで図面を描いている中で僕が何となく(と言っても適当に、やっつけで、ってのとは違いますよ)いいなと思った形を展開図にプロットしたものがそのまま実現化したもの。
これでいいの?と言う暇もないくらいのスピードで出来上がってしまって、あれよあれよと言っているうちに商品となってしまった。
もちろんプロダクトとなるまでに何度もスタディや試作を重ねたけど、ここまでスムーズなのも珍しいな、と驚いています。
一応好評のようだったので安心しました。

その後タクシーに乗り乃木坂のギャラリー間で行われている杉本貴志展のオープニングへ。

健保会館で行われていたパーティーはやはり馴染めず早々に退場、隣のギャラ間にて展示を見ました。
鉄の茶室・水の茶室と書いてあり、正直それほど期待してなかったのですが水の茶室には驚かされた。

静止画では上手く伝わらないのですが極細のピアノ線を伝って水滴がゆっくりと落ち続けている層が境界となり茶室が作られておりました。
その落ち方が何とも言えず、チープな言葉でしか表現できないのですが幻想的でアートのイベントでもなかなか見られない程のインスタレーションでした。
粘度のある油を調整して落としているらしく、そこに流れ続けている水がまとわりついて雫になっているというメカニズム、聞くとシンプルですが見ると驚き、これは理想的なことですね。
雨が降っているのをスローモーションで見ている感覚になるのですが、更に後ろの層ではヒトが現実世界のスピードで動いていて、またその後ろの層でスローの雨が降っているような、一つの空間でそんないくつかの時間軸を感じることはとても不思議な体験でした。

こういうことを言うと批判に聞こえるかも知れないけど、茶室と言っている割には物理的にも概念的にもヒトをあまり招き入れる空間になっていないのは感じた。
離れたところから中にヒトがいるのを見るのがもっとも美しかったしね。
そういう意味では勘違いしてしまいそうだけどインタラクティブアートとか、体感型ってのとは違うかも。
まあ建築とかデザインとかアートとか、あまりそんなことを気にせず誰にでも楽しめるいい展示だと思います。
写真や言葉では上手く表現できないので実際に見てみることをおすすめします。
(何度もこのBlogで言っているけどギャラ間は東京においてタダで入れる純粋で貴重なギャラリーなんですから。)

今日ははこれから深夜バスに乗って名古屋へ、大学時代の友人の結婚パーティーです。
結婚式ラッシュ、ここ何年か衰えることを知りません。

No comments: