Showing posts with label furniture. Show all posts
Showing posts with label furniture. Show all posts

07 November, 2006

Exhibition Tour

11/4 (SAT)

様々なデザイン・アート関連のイベントが飽和状態の中、週末にいくつかピックアップして見てきました。


まずはギャラ間、「タッチストン 大橋晃朗の家具展」。
1992年に亡くなられた故人の初の回顧展。

先日亡くなられた篠原一男さんに師事したり、伊東(豊雄)さん、長谷川(逸子)さん、坂本(一成)さん等と親交があったり、家具デザイナーの中でも建築出身で建築家との関わりも多くあったデザイナー。
僕はこれまで伊東さんや長谷川さんの作品に置かれた独特な家具としての存在しか知らなかったが、今回の展覧会により実際に見ることが出来、座ることが出来た。

「ハンナン・チェア/1985」

この家具の良さを説明する言葉を僕は持ち合わせていないが色んな意味で不思議な椅子。

幾重にも敷かれたクッションや意味不明なフレームに戸惑いはあるが、何故か憎めない、というより大好き。

今回の展覧会の広告、作品集の表紙にも使われている家具、なるほどフォトジェニックな家具である。
当時からこの配色、このファブリック。
何故か今の気分にピッタリ。
僕は思った、何処かのメーカーが復刻して発表するね、たぶん。


「トーキョー・ミッキー・マウス/1988」
これ中にバレーボールが入っているんです(笑)。


「フロッグチェア/1985」
日本の住宅建築のマイルストーン的存在「シルバーハット:伊東豊雄/1984」に置かれたこの椅子。
昔の新建築の記事を見ながら、建築と家具の相性って大事なんだと再確認させられます。

座り心地がどう、とかスタッキングが出来るだとかそういう機能的な意識や批判を介入させない次元にあるデザイン。
伊東さんとのコラボレーションによりお互い切磋琢磨していたことは、デザインを見れば明らか。
モダニズム的なプランでは到底納まりきらないこれらの家具は自由な広がりのある伊東さんの空間を欲しているかのようにも見えるし、更に先を行くようにすら見えた。
今の伊東さんの建築の中に置いても全く違和感ないよ、間違いなく。
(補足しておくが座り心地はどれも驚く程よい。)

乃木坂の長寿庵で蕎麦を食らい、次に初台のオペラシティ アートギャラリーで行われている「伊東豊雄 建築|新しいリアル」展。

こりゃすごい、これが感想。
出来るだけ原寸のスケールで空間やオブジェクトが体感出来るようになっていて皆の作品を眺める姿が、アートを眺めるそれでも無く、実際の空間の中でのそれでも無く、美術館という空間の中に再現された圧倒的な”モノ”を見る目になっていたことが印象的。
伊東さんがよく仰る「『せんだいメディアテーク』の現場で味わった体験」をできるだけこの場所で体感して欲しかったのだろう。
モダニズムの美学ではなく「モノ」が空間を支配する最近のテーマに並ぶ「エマージンググリッド[生成するグリッド]」も各作品ごとにムービーで解説してくれる。
もはやあるルールに則った無限に広がる(ことが可能な)空間はデザインする必要は無いのか?と思わせられるがやはり違う。
同じ伊東さんの作品でも処理を施し、いくらか人工的な空間に近いもののほうが自然に見え、どこでフィックスするかという技量もやはり必要。
ともかくかなり面白い展覧会でこれまでに体験したどの建築関係の展覧会よりも面白かった(と思う)。
最後にある伊東事務所ヒストリーも必見である。
(展覧会は撮影禁止だった、ココに素晴らしい写真があるので見てください。)
もしも大橋さんが生きていたら、「台中オペラハウス」にどんな家具を置くのだろう。
この二つの展覧会を同じ日にこの順番で見たことは我ながらいい選択だったと思う、うむ。

ここからはかなり流し気味(笑)。
原宿の取り壊しが決まっているビルで行われていた「Design Tide」。
これはその中の「Treasured Trash」というイベントのブース。

家の中にあるゴミも宝になるんだよ、って言いたいのかな、たぶん。
そのゴミで作ったシャンデリア。

中には話題の「sketch furniture」とか影絵に反応して怪物の姿が浮かび上がる「シャドウモンスター(インタラクティブインスタレーション)」などいくつか面白いものがあった。

最後に近くのhhstyle.comにてヘラ・ヨンゲリウス展

なんて言うのかな・・・すごくいいんだけど、なんだろう?って感じ。

パントンの子供椅子。

これ売れるかも知れない。

帰りに光麺担々麺を食らい帰宅。
以上。
とても充実した1日を過ごせました。

01 November, 2006

100% Design Tokyo


昨日TOKYO DESIGNER'S WEEK 2006のメインイベントである100% Design Tokyoのプレス発表会に行ってきました。
いきなりなんですが・・・僕はこのイベントをどうも好きになれません。
NPO法人と謳いながら入場料が2000円(!)だったり、貨物のコンテナを利用した展示ブースをデザインして見せるコンテナエキシビションは出展にバカ高いお金がかかったり(非会員だと10ft/70万、20ft/120万)、名ばかりで全く個人のデザイナーに対する支援を考えていないような気がするから。
今回は出展していたから一応招待券をもらえ見に行ったけど、そんなの無かったら2000円で他のもの買います、僕なら。
一通り見て回った結果から話すと2000円の価値はスーパーBIGチョコ40本分に値しません。

普段は明治神宮外苑絵画館前の広場は軟式野球場として利用されている。
そこに大きな大きなテントを建てて各ブースが所狭しと並んでいる。
これがウチがお手伝いしたブース、入ってすぐのB1というところにあります。

XIA(ザイア)という名のソファシリーズ。(ネーミングセンスの悪さは置いといて・・・)
テーマは「bespoke/ビスポーク」、紳士服のオーダーをするように、フレームの木種、仕上、張り地、サイズに至るまで自由にオーダーして頂くというコンセプト。
イタリアの家具ブランド、チェコッティの商品を扱っていて、また自社のブランドも持っている日本のバンリというメーカーとの共同開発。
今回もの凄く短期間で制作し、展示してあるものは試作第1回目のもの。
実際に出来たものを見たのは初めてで細かいことはいくつか気になったけど(クッションのボリューム、サイズ、張り地など)全体的にはまずまずといったところか。
今回忙しくて2回あった工場検査のタイミングをどちらも逃してしまったことが悔やまれる。
ただ疑問なのはこんなの作って売れるんだろうか・・・。

一通り見学したが面白いと思ったのはごく僅か。
いつまで続けるんだろう。
面白いと思ったものの一つに僕が今の事務所で働き出した頃にいた唯一の先輩、寺田さんのブース。
スツールと時計を出展されていた。
どちらも寺田さんらしいプロダクトで不思議な雰囲気の漂うモノ。
同じものを本場ロンドンの100% Designに展示したところ、スツールをあるドイツのメーカーがラインナップに加えたいと手を挙げてくれたらしい。
この日もドイツから帰ってきた足でここへ向かったとか。
寺田さんと言えば最近ますます活躍されていて、先日竣工した住宅は見事新建築9月号の表紙を飾っていた。

"stomach"と名付けられたこの住宅は平面図を見るとヒトの胃のような形をしている(ことから命名されたかどうかは知らない)。
什器から建築を構成する床、壁、天井、サッシュまでプロダクトレベルの精度でデザインされていて、寺田さんのオタクぶりが存分に発揮されていると感じた、もちろんいい意味でね。
写真取るタイミングを逃してしまったけどガチャピンのTシャツ着てました。(笑)

大きな一繋がりの空間はどのようなアクティビティーを誘発するんだろうか、とても興味がある。

オープンハウスの案内を頂いたんだけど、テルの結婚式と重なり泣く泣く断念したため実際の空間は体験出来ていない。
しかし写真から伝わってくる雰囲気だけで寺田ワールドが存分に味わうことができるので一度書店で見てみてください。
今後の更なるご活躍が楽しみな建築家の一人です。

今度は外に出てコンテナグラウンドの見学。
限られたスペースの中で様々な趣向を凝らしたインスタレーションを発表する場。
ますます企業PRの色が強くなっていました。

やはり面白かったのはNIKE
コンテナの壁にAIRを象嵌してみせている。

中には12人のアーティストによって歴史的なプロダクトを解体しオブジェとして再構築されたものが展示してあり、バカげているけどよく作られていて人の目を惹き付ける力がある。(最近ナイキばっかり褒め過ぎてるな・・・)



これはどこのコンテナか忘れちゃったけどすごく綺麗なスクリーン。

樹脂の繊維がパネル化されていて壁をスクリーンとして、壁材として機能している。

前に小さなサンプルを見たことがあって面白そうだな、と思ったけどこれだけ大きく見たのは初めてでちょっとした喜びでした。
まあ展示自体は・・・って感じだったけど。

こんな感じで駆け足で一通り見て、パーティーが始まりワケの分からないヒトがスピーチを始めた頃に出てきました。


パーティーに参加しているヒトを見ると僕らより一世代も二世代も上のメーカーの関係者やデザイナーがいて、学生展も同時にやっていた関係もあり僕より若い学生がいて、間の世代、つまり僕らの世代の人たちがポッカリ抜けていたような印象。
これも何かの狙いでしょうか?
ここの事務局の狙いはいつも理解し難い次元にあることを何度か思い知らされていますが。(笑)

オマケ:帰りに青山通りを歩いてたらペットを連れたゆうこりんを見ました。
確認出来なかったけど一緒にいた男は濱口だったのかな・・・??