Exhibition Tour
11/4 (SAT)
様々なデザイン・アート関連のイベントが飽和状態の中、週末にいくつかピックアップして見てきました。
まずはギャラ間、「タッチストン 大橋晃朗の家具展」。
1992年に亡くなられた故人の初の回顧展。
先日亡くなられた篠原一男さんに師事したり、伊東(豊雄)さん、長谷川(逸子)さん、坂本(一成)さん等と親交があったり、家具デザイナーの中でも建築出身で建築家との関わりも多くあったデザイナー。
僕はこれまで伊東さんや長谷川さんの作品に置かれた独特な家具としての存在しか知らなかったが、今回の展覧会により実際に見ることが出来、座ることが出来た。
「ハンナン・チェア/1985」
この家具の良さを説明する言葉を僕は持ち合わせていないが色んな意味で不思議な椅子。
幾重にも敷かれたクッションや意味不明なフレームに戸惑いはあるが、何故か憎めない、というより大好き。
今回の展覧会の広告、作品集の表紙にも使われている家具、なるほどフォトジェニックな家具である。
当時からこの配色、このファブリック。
何故か今の気分にピッタリ。
僕は思った、何処かのメーカーが復刻して発表するね、たぶん。
「トーキョー・ミッキー・マウス/1988」
これ中にバレーボールが入っているんです(笑)。
「フロッグチェア/1985」
日本の住宅建築のマイルストーン的存在「シルバーハット:伊東豊雄/1984」に置かれたこの椅子。
昔の新建築の記事を見ながら、建築と家具の相性って大事なんだと再確認させられます。
座り心地がどう、とかスタッキングが出来るだとかそういう機能的な意識や批判を介入させない次元にあるデザイン。
伊東さんとのコラボレーションによりお互い切磋琢磨していたことは、デザインを見れば明らか。
モダニズム的なプランでは到底納まりきらないこれらの家具は自由な広がりのある伊東さんの空間を欲しているかのようにも見えるし、更に先を行くようにすら見えた。
今の伊東さんの建築の中に置いても全く違和感ないよ、間違いなく。
(補足しておくが座り心地はどれも驚く程よい。)
乃木坂の長寿庵で蕎麦を食らい、次に初台のオペラシティ アートギャラリーで行われている「伊東豊雄 建築|新しいリアル」展。
こりゃすごい、これが感想。
出来るだけ原寸のスケールで空間やオブジェクトが体感出来るようになっていて皆の作品を眺める姿が、アートを眺めるそれでも無く、実際の空間の中でのそれでも無く、美術館という空間の中に再現された圧倒的な”モノ”を見る目になっていたことが印象的。
伊東さんがよく仰る「『せんだいメディアテーク』の現場で味わった体験」をできるだけこの場所で体感して欲しかったのだろう。
モダニズムの美学ではなく「モノ」が空間を支配する最近のテーマに並ぶ「エマージンググリッド[生成するグリッド]」も各作品ごとにムービーで解説してくれる。
もはやあるルールに則った無限に広がる(ことが可能な)空間はデザインする必要は無いのか?と思わせられるがやはり違う。
同じ伊東さんの作品でも処理を施し、いくらか人工的な空間に近いもののほうが自然に見え、どこでフィックスするかという技量もやはり必要。
ともかくかなり面白い展覧会でこれまでに体験したどの建築関係の展覧会よりも面白かった(と思う)。
最後にある伊東事務所ヒストリーも必見である。
(展覧会は撮影禁止だった、ココに素晴らしい写真があるので見てください。)
もしも大橋さんが生きていたら、「台中オペラハウス」にどんな家具を置くのだろう。
この二つの展覧会を同じ日にこの順番で見たことは我ながらいい選択だったと思う、うむ。
ここからはかなり流し気味(笑)。
原宿の取り壊しが決まっているビルで行われていた「Design Tide」。
これはその中の「Treasured Trash」というイベントのブース。
家の中にあるゴミも宝になるんだよ、って言いたいのかな、たぶん。
そのゴミで作ったシャンデリア。
中には話題の「sketch furniture」とか影絵に反応して怪物の姿が浮かび上がる「シャドウモンスター(インタラクティブインスタレーション)」などいくつか面白いものがあった。
最後に近くのhhstyle.comにてヘラ・ヨンゲリウス展。
なんて言うのかな・・・すごくいいんだけど、なんだろう?って感じ。
パントンの子供椅子。
これ売れるかも知れない。
帰りに光麺で担々麺を食らい帰宅。
以上。
とても充実した1日を過ごせました。
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