18 September, 2009

しんぼる


仕事の後レイトショーで松ちゃん監督作品「しんぼる」観てきました。
映画としてはとてもよく出来ているし楽しめました。
表現の場は違うけどお笑いの質という意味では松ちゃんの作ってきた過去の作品を超えていないと思う。

前作のように何もかもが几帳面に決められていなかった(全て辻褄が合うという意味で)ので観た人の印象は様々だろうし、想像や解釈の幅が広がっているように思えた。
笑いやすい笑いが前作より増えていることが第一印象、ただ観にきている客は松ちゃんを他の誰よりも純度の高いお笑い芸人として認識しているから(少なくとも僕は)一つ一つの笑いが意図的であろうともそれほどレベルが高くないところに気が向いてしまう。
映画の中の男に起こっている映画の中でのおかしなことだと分かっているはずなのに、どうしてもいつも観ている松ちゃんを完全に切り離して観ることが難しいんだな。
国を越えて多くの人を笑わせたいと思ってこのくらいの笑いを散りばめながら作るのであれば他の芸人さんや、役者さんが主演で監督に徹してほしいなと思う。
映画の中での松ちゃんが普段より面白くない男になっていることが気になるというか・・・。
あくまで普段が、過去の作品が異常に面白いからこそという次元の話です。

伊集院が「松本さんの凄いところは、“松本人志の本当の面白さがわかるのは俺だけだな”とみんなに思わせる事ができるところ。だから視聴率30%とか取れるんですよ」と評しているがこれほど的確な松ちゃん論は聞いたことがない。
少なくとも“松本人志の本当の面白さがわかるのは俺だけだな”と思っている人達は目に飛び込んですぐに理解できる今回のような笑いを観ると少し寂しく感じるかもしれないですね。
言葉の壁はかなり大きいけどいつものようにちょうどいい距離感の笑いを「理解してもらえるかな?」と不安に思いながら「分からんヤツは置いていくで」と作ってほしいです。
個人的にはもっと下品な設定、庶民的、日常的な設定での作品が観たいです。

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