23 March, 2006

消された一家

昨日のblogでSO902iというタイトルにして文章の中にWBCが含まれていたから、blogを書いていることすらほとんどヒトに言っていないのに異常にアクセス数が増えたからビックリ。
そっち系の詳しいお話を期待して見にきたヒトはすいませんが見ないほうがいいです。

先週この本、「消された一家」を読み終えた。
(この本を読みたいと思っているヒトは読んだ後にでもこのブログを見てください。)


誰かさんのように途中で止めたくなるようなこともなく一気に読んでしまったが感想はほぼ同じ、確かにひどい。
大体の内容は以下参照。

”被害者は妻の父・母・妹夫婦・姪・甥…。「天才殺人鬼」松永太は、一家をマンションに監禁し、「殺す者」と「殺される者」を指示した。彼らは抵抗も逃亡もせず、互いを殺し合った。遺体はバラバラに解体された。ついに妻一人を残し、家族は消滅した—。七人が抹殺された“史上最悪”の密室事件。衝撃のホラー・ノンフィクション。”

正確に言うと指示はしていなくて自主的に殺したという状況を作り上げるのが男のやりかた。
ただ読み終わってもなぜこんなことをしたのか、金のためならもっと他になかったのか、と疑問が残った。
あと最終的な判決を裁判官が下すことにも何か解せないものがある。
というのは、最大の加害者は松永という男で間違いはないのだけれど男と20年間に渡り行動をともにした(もちろん自分の意志ではない)緒方という女がいてその女は自殺することすら許されず自分の家族を殺した。
判決はどちらにも死刑判決が下った。
日本の法律からするとまあ妥当なのだろう。
しかし納得のいかない自分もいる。
著者もDV被害者の心理状況や逮捕後反省している緒方の供述による真相の早期解明の経緯を考慮すれば情状酌量の余地はあると思っていたらしい。
要は死刑よりも重い刑がないことが納得出来ない理由の一つだと思う。
この場合比較の問題ではないと思うが松永と緒方の刑が同じということが解せないのだ。
それにこの罪を犯した犯人を殺して裁くということを被害者が納得するとは思えない。
死ぬことを許されないまま苛められ続けた結果、死んでいった被害者が。
でもいくら考えてもこのヒトが犯した罪以上にダメージを与える刑って思いつかないんだよな。
どちらにせよ死刑以上の罰ってあってもいいと思うんだな。
じゃあ死刑は肯定的?って思われるけどなんとも言えません。
死刑廃止という意見は思っていた以上に多い。
確かに死刑という罰が犯罪抑制能力を全くもたないケースは多々ある。
自爆テロなんかは死にながら殺すのだから最たるものだと思うけど、中途半端な罪を犯して生きて償うよりもいっそ死刑になる程の大きな罪を犯そうっていう思想に至る助長になり得てしまう。
結局死ぬのが怖いと思っているヒトが考えたものなんだろうね。
なんか支離滅裂だけど興味があったら読んでみてください。
地下鉄サリン事件とこの事件の判決(内容)が同じってことに疑問を感じるヒトは、これを読んでも僕と同じようにすっきりしない思いが残ると思います。

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